くん蒸用シート

マツノ材線虫が松に浸入すると約1ヶ月で葉の変色やしおれが発生し、新葉は赤褐変して落葉します。松材線虫病は北海道と青森を除く全国で発生しており、弱った松だけを枯らすのではなく、元気の良い松も枯らしまう伝染病のように広がっていく病気です。

マツノ材線虫と松くい虫は共生関係にあり、松くい虫に乗り移ったマツノ材線虫が健康な松に運ばれ、その松の中でマツノ材線虫が増殖することによって病気が拡大していきます。
サイクルとしては、前年に枯れた松からマツノ材線虫を持った松くい虫が5～7月にかけて脱出し、そして松くい虫は他の健康な松に飛び移ります。線虫は松くい虫から松の樹体内に侵入していき、8月の後半には針葉はしおれ、赤褐色に変わり、10月ごろには松の木全体が枯れてしまいます。

運び屋である松くい虫を駆除する方法として、病気になってしまった被害木を伐倒、玉切りし、その被害木を薬剤によってくん蒸することにより、被害木の中に潜んでいる松くい虫の幼虫を死滅させる方法「伐倒くん蒸」がとられています。
「伐倒くん蒸」は、集積された被害材に薬剤を散布し、気化した薬剤によってくん蒸する方法で、その薬剤のガス漏れを防ぐためにシートで集積された被害木全体を覆います。その時に使用されるシートが「くん蒸与作シート」です。

与作シート専用のキャリーバックにシートを収納することにより、シートを背負った状態での移動が可能となりました。キャリーバックを背負った状態では両手が空き、工具を持ち運びながらの現場への移動、険しい山での登山が容易になります。

今までのロール品の場合は長さ2mの3インチ紙管が使用されていましたが、与作シートはシートを折りたたんだ形体であるため紙管が不要。そしてシート使用後の紙管の廃棄、ゴミの発生のない環境配慮型製品です。

「くん蒸与作シート」は日本バイオプラスチック協会から「グリーンプラマーク」の表示認証を受けた製品です。このグリーンプラの識別表示制度は、その製品に採用されている生分解プラスチックが、微生物分解により使用後の環境負荷低減につながる環境配慮型のプラスチック製品であることが承認され、その認証を受けたものだけが「グリーンプラマーク」の表示可能となる制度です。

写真のように1梱包が約50cm各×5cm厚程度なので、パレットに1段4枚×16段＝64枚が積載可能です。ロ-ル品の場合は山積すると崩れの問題や保管スペースの確保が困難でしたが、折りたたみ形態になったことにより省スペースが可能となり、製品の在庫管理も格段の差で容易になりました。